コラム
CDPを活用できない企業に足りないもの|行動データ×顧客の声で顧客理解を深める方法
顧客データを一元管理し、マーケティングに活かすためにCDP(カスタマーデータプラットフォーム)を導入する企業が増えています。一方で、「データは集まったが、うまく活用できていない」という声も少なくありません。
本記事では、CDPを導入したのに活用できない理由を整理したうえで、CDPに蓄積されたデータを「顧客理解」につなげるための考え方と、具体的な活用のヒントを紹介します。
CDPを導入したのに活用できない企業が多い「よくある理由」
CDPの活用がうまく進まない背景には、ツールの機能だけではなく、活用目的や体制、データ品質に関わる「よくある理由」があります。
導入すること自体が目的になっている
CDPの導入は、データの統合やシステム連携など準備に多くの時間と労力がかかります。その結果、「データを一元化できた」ことで一段落してしまい、何に使うのかが曖昧なまま運用が始まるケースがあります。目的がはっきりしないと、蓄積されたデータを見ても次の一手が浮かびません。
分析・活用を担う人と体制が足りない
CDPのデータを施策に落とし込むには、データを読み解く力と、マーケティングの知見の両方が必要です。担当者が日々の業務と兼任していたり、データ部門とマーケティング部門が分かれていて連携が取りにくかったりすると、データは活かされないまま眠ってしまいます。
データが統合しきれず、信頼して使えない
部門ごとに管理していたデータをCDPに集めても、顧客IDがそろっていなかったり、古い情報が残っていたりすると、分析結果を信頼できません。「数字が合わない」「どのデータが正しいのか分からない」という状態では、現場はデータを使った判断に踏み切れず、結局は従来のやり方に戻ってしまいます。
データから「何をしたか」は分かっても「なぜか」は分からない
CDPに集まるのは、購買履歴やWebサイトの閲覧履歴、アプリの利用状況といった行動データが中心です。行動データからは「誰が、いつ、何をしたか」が分かります。しかし「なぜその商品を選んだのか」「なぜ最近買わなくなったのか」といった理由までは分かりません。その結果、推測に頼って改善施策を打つことになってしまい、根本的な課題解決に至らないケースもあります。データは豊富にあるのに顧客の気持ちが見えない、という状態が「活用できていない」という実感につながります。
使い道がメール配信のセグメント分けにとどまっている
CDPは、顧客を「理解する」ための基盤です。しかし、多くの企業は、「CDPデータをもとに属性や行動でセグメントを作り、メールや広告を出し分ける」という活用方法から先へ進めていません。もちろんセグメントごとの情報発信は非常に有効な施策ですが、それだけでは、CDPの価値の一部しか引き出せていません。
よくある理由と解決のヒント

ここまでの5つの理由は、CDPを使うための「土台」に関わるものと、データを「活用」する段階で生じるものに分けられます。それぞれの解決のヒントを整理しました。
| 理由 | 解決のヒント |
| 【土台】導入すること自体が目的になっている | 何のためのCDP導入なのか、改めて考えることが必要です。どんな課題を解決し、どのような意思決定に活かしたいのかを定義し直すことで、自ずと活用方法も見えてくるでしょう。 |
| 【土台】分析・活用を担う人と体制が足りない | CDP活用をミッションとした専任担当者、意思決定者を明確にしておきましょう。「解約率〇%改善」「アクティブ会員〇人」といった具体的な目標や役割を社内に周知することで、部署間連携も取りやすくなります。 |
| 【土台】データが統合しきれず、信頼して使えない | まずはデータ品質の確認を行いましょう。場合によっては、データクレンジングも必要になってくるかもしれません。整備のアウトソースやAI活用も視野に入れ、CDP活用に備えた「きれいなデータベース」を準備しておきましょう。 |
| 【活用】「何をしたか」は分かっても「なぜか」は分からない | 自分たちの仮説が正しいかどうかを確認するプロセスが重要です。アンケートやインタビューなどの手段で対象顧客の声を集めてみましょう。 |
| 【活用】使い道がメール配信のセグメント分けにとどまっている | 今あるデータを基に、何ができるか?を考えてみましょう。データの切り口を変えてみることで、これまで見えなかった情報が見え、訴求や商品改善のヒントになるかもしれません。 |
CDPのデータは顧客理解のための「宝の山」
活用しきれていないとしても、CDPに蓄積されたデータそのものは企業にとって貴重な情報資産です。
実際の顧客の行動が記録されている
一般的な市場調査では、調査会社のモニターに「〇〇を購入したことがありますか」と尋ね、その回答をもとに分析します。回答はあくまで本人の記憶や申告に基づくものです。一方、CDPには、自社の商品を実際に購入した人の購買履歴や利用状況が記録されています。推測ではなく事実に基づいて顧客を捉えられる点は、CDPならではの強みです。
顧客と継続的に接点を持てる
会員IDなどで識別でき、CDPに登録されている顧客は、会員登録やアプリの利用などを通じて、すでに自社とつながっている人たちです。一度きりの調査対象ではなく、継続的にコンタクトを取り、変化を追い続けられる相手でもあります。
顧客の変化を時系列で追える
CDPには過去からの行動が蓄積されているため、「初回購入から半年でどう変わったか」「キャンペーンの前後で利用頻度は変わったか」といった変化を追えます。同じ顧客に時期を空けて声を聞けば、意識の変化と行動の変化をあわせて捉えることもできます。
これだけの資産を、メール配信の出し分けだけに使うのはもったいないことです。
行動データに「顧客の声」を掛け合わせて顧客理解を深める
CDPをもっと活用するための鍵は、行動データに「顧客の声」、つまり意識データを掛け合わせることです。
たとえば、CDPで「半年前まで毎月購入していたのに、直近3か月購入がない顧客」を抽出できたとします。行動データだけでは、離反の理由は分かりません。そこでこの層にアンケートで理由を尋ねれば、「価格が上がった」「競合商品に乗り換えた」「使い道がなくなった」など、施策につながる答えが得られます。
さらに、アンケートの回答をCDPに戻して行動データと紐付ければ、「価格を理由に離反した顧客は、どんな購買パターンだったのか」といった分析も可能になります。行動データで「何が起きているか」を掴み、顧客の声で行動理由の仮説を確かめ、「なぜ起きているか」を知る。この組み合わせが、CDPを顧客理解の基盤に変えます。

CDP活用のヒント:顧客理解を施策に活かす4つの方法
行動データと顧客の声を組み合わせると、CDPの使い道は大きく広がります。ここでは4つの活用方法を紹介します。
1. 顧客アンケートで製品・サービスを改善する
購入直後の顧客には満足度や不満点を、長く利用している顧客には継続している理由を、離反しかけている顧客には利用が減った理由を聞きます。CDPのデータで対象を絞り込めるため、全員に同じアンケートを送るよりも、具体的で改善に直結する声が集まります。
たとえば、サブスクリプション型のサービスなら、解約手続きの直前に利用が減っていた顧客に絞って理由を聞くことで、解約防止策のヒントが見つかります。集まった声をもとに改善した後、同じ層に再度聞けば、改善の効果も確かめられます。
2. 新規サービスの市場調査やテストマーケティングに活用する
新しい商品やサービスを企画する際、既存顧客は最初の評価者として頼りになる存在です。「この機能があれば使いたいか」「いくらなら購入を検討するか」といったコンセプト調査を、関心が高そうなセグメントに絞って実施できます。試作品のモニター募集など、テストマーケティングの対象としても活用できます。
既存顧客は自社のブランドや既存商品をよく知っているため、新商品との比較や、既存商品からの乗り換え意向なども聞きやすい相手です。ただし、既存顧客の意見は自社に好意的に偏りやすいため、新規顧客の獲得を狙う商品では、自社顧客以外の声もあわせて確認すると判断の精度が上がります。
3. マーケティング戦略を立てるための情報源にする
優良顧客はなぜ自社を選んでいるのか、どこで自社を知ったのか。セグメントごとにこうした問いへの答えを集めれば、どの強みを打ち出し、どのチャネルに注力すべきかを判断する根拠になります。勘や経験に頼らず、顧客の実態と本音に基づいて戦略を組み立てられます。
たとえば、優良顧客の多くが「品質」を理由に選んでいると分かれば、価格訴求のキャンペーンより品質を伝えるコンテンツに予算を振り向ける判断ができます。
4. ペルソナ設計に役立てる
ペルソナは、社内の想像で作ると実態とずれがちです。CDPの購買データで実際の優良顧客像をつかみ、アンケートやインタビューで価値観や購入の決め手を補えば、事実に裏付けられたペルソナを作れます。チーム内で顧客像の認識をそろえる材料にもなります。
ペルソナは一度作って終わりではありません。CDPのデータとアンケートを定期的に見直せば、顧客像の変化に合わせてペルソナを更新し続けられます。

CDP活用を進めるときのポイント
活用のヒントを実践に移す際は、次の点を押さえるとスムーズです。
- 「離反の理由を知りたい」など、答えを出したい問いを一つ決めて小さく始める
- アンケートの結果はCDPに戻し、行動データと一緒に分析できる状態にする
- 顧客に何度も同じことを聞かないよう、CDPで分かる情報は設問から外す
- 自社ブランドの体験を損なわない形で顧客に声をかける
最初から大規模な調査を目指す必要はありません。一つの問いに答えを出し、施策に活かして効果を確かめる。この小さな成功体験を社内で共有することが、CDP活用を組織に根付かせる近道です。
一度きりの調査で終わらせず、顧客の声を継続的にCDPに蓄積していくことで、顧客理解は少しずつ深まっていきます。
CDPを顧客理解の基盤にするなら「スパコロ」

モニタスの「スパコロ」は、CDPやCRMに蓄積された顧客データと連携し、自社顧客にアンケートを実施できるセルフ型アンケートプラットフォームです。本記事で紹介したCDP活用を、次のように支援します。
- 会員IDでCDPの顧客データと連携し、「離反予備軍」「ロイヤル顧客」などのセグメントに絞ってアンケートを届けられる
- 回答結果は会員IDで顧客データベースに自動で格納され、行動データと意識データを統合して分析できる
- 自社のアプリや会員サイトに、ブランドのデザインに合わせたアンケート用のマイページを設けられる
- 定量調査だけでなく、「明後日できるインタビュー」をコンセプトにしたクイックな定性調査にも対応している
- 自社顧客以外にも、3,000万人規模のモニターへの調査で市場全体や競合ユーザーの声を集められる
連携に必要な情報は会員IDが中心で、氏名などの個人情報を連携する必要はありません。調査会社を介さず担当者自身で実施できるため、知りたいと思ったときにすぐ顧客の声を集められます。CDPに眠るデータを顧客理解に変えたいとお考えの方は、ぜひスパコロの資料をご覧ください。
「スパコロ」関連情報
本件に関連するサービス
国内No.1規模の調査基盤が、顧客の「本音」を可視化。
データに基づく確かな意思決定で、貴社のビジネス成長を支援します。
お問い合わせ



