プレスリリース

アサヒビール様へのスパコロ利用インタビューを公開しました。

お客様を真ん中に考えるマーケティング実現のために。
アサヒビールがスパコロを活用する理由とは



「お客様を真ん中に考える」ことを出発点としてマーケティング活動を展開するアサヒビール株式会社。同社では、積極的にインタビュー調査を行い、お客様の声を聞くということを大切にされています。

しかし、一般的な調査会社で調査を行う場合、対象となるのは調査会社が保有するモニターになるため、ニッチな商材のファンの声を聞きたいというときは、まず該当する人を探すための調査が必要になるなど、多くの時間とコストがかかってしまうことが課題としてありました。
そこで同社では、これまで顧客と向き合いながら構築・運営してきたオウンドメディアである『アサヒパーク』で培った会員資産を活用し、一定の自社商品愛用者が存在する『アサヒパーク』会員に対してアンケートおよびインタビューを実施すべく、スパコロを活用していただいております。

今回は同社 マーケティング本部 消費者インサイト室 主任の樋口 群さまに、あらためてスパコロ導入に至った背景や理由、そして現在どのようにスパコロを運用しているか、またスパコロ活用の成果などを伺いました。



自社会員にインタビューを行えるため、ニッチな商材のファンに対してもアプローチができることがスパコロ活用の決め手




―― まずは、今回スパコロのクイックセルフオンラインインタビュー導入に至った背景を教えていただけますか?

樋口:私が所属するマーケティング本部 消費者インサイト室では、次の3つのミッションを掲げています。1つ目が、関係部署と連携してマーケティング全体を推進していくこと。そして当社ではお客様を真ん中に考え、そしてお客様を主語としてマーケティング活動を進めていく方針なのですが、そうした中でお客様のインサイトをもとにした施策遂行の支援が2つ目のミッションです。最後に3つ目が、インサイトの発見だけでなく、幅広く探索を行い、ビジネス活動に繋げていくことです。

そうしたミッション遂行に対してお客様調査というのは非常に重要であり、当然ながらこれまでもインタビュー調査などを行ってきました。
ただ、一般的なお客様調査はどうしても準備や設計に時間がかかり、さらに1回の調査でも相当な金額のコストが発生するため、クイックに何度もお客様調査を行うということが難しいということが課題のひとつとしてありました。

そこでポイントを貯めてキャンペーン等に応募できる『アサヒパーク』という会員サイトがあるのですが、その会員向けにアンケートを実施したところ、熱量の高い回答をいただけることが多くありました。
そうした熱量の高い回答をいただける会員がいらっしゃるのであれば、インタビューを通じてより深くお話を伺いたいと思ったことが、今回スパコロのクイックセルフオンラインインタビューを活用するに至った背景です。

アサヒビール株式会社 マーケティング本部 消費者インサイト室 主任 樋口さま



―― 様々なインタビューサービスがある中で、最終的にスパコロを活用することに決めた理由はなんでしたか?

樋口:実はアサヒパークでアンケート実施する上で、もともとスパコロを導入・活用しておりましたが、スパコロであれば自社会員にアンケートやインタビューを行えるということが魅力でした。
スパコロのようなサービスは他にもありますが、一般的な調査会社の場合は、その会社が保有するモニターしか対象となりません。そのため、たとえばニッチな商材のファンに対して何かアンケートを取りたいと思った場合も、大量のモニターにアンケートを取る必要がありますし、その商材を愛用しているかどうかを把握するだけで数十万~数百万円といった莫大なコストがかかってしまうわけです。

しかし、スパコロであればアサヒパークの会員に対してアンケートやインタビューを行うことができ、アサヒパークの会員であれば当社商品に興味がある方が多いと想定できるため、メジャーな商品のファンはもちろん、ニッチな商材のファンに対してもアプローチしやすく、コストも大幅に削減可能です。

また、一般的な調査会社の場合は準備からインタビュー実施までに2ヶ月近くかかることも珍しくありません。しかし、スパコロであれば最短即日、遅くとも1週間で実施を終えることができるため、時間やコストの面でも非常にメリットがあると感じたことも決め手でした。



クイックにインタビューを実施できたことで、お客様視点を大切にした商品づくりに寄与している




―― 現在どのようにスパコロをご活用いただいているのか教えてください。

樋口:アサヒパーク内での通常のアンケートはもちろん、各商品のブランドマネージャーから依頼を受けて、何か直ぐに調査したいというときにクイックセルフオンラインインタビューを活用しています。

たとえば最近ですと、本調査のための事前調査程度の感覚でパッケージ変更に伴うインタビュー調査を行いたいという依頼をブランドマネージャーから受けました。
そこでスパコロのクイックセルフオンラインインタビューを実施したところ、本調査で期待していたものと同等の回答がすでに得られており、時間はもちろん、大幅なコスト削減にも繋がっています。

また、コンセプト開発のための探索的なインタビューとしても活用しています。
たとえば、日々商品のことを考えている我々企業側が用いているワーディングは実際のお客様には響かないのではという仮説から、実際にクイックセルフオンラインインタビューで調査を実施しました。

一般的な調査会社のモニターの方々と違い、クイックセルフオンラインインタビューではアサヒパーク会員の方々の熱量のある生の声を拾うことができるため、素早くコンセプト開発にも繋げていくことができました。
一般的な調査会社のモニターさんの場合、きれいな言葉でお話されることが多いのですが、アサヒパーク会員さんの場合はダイレクトな表現でお話いただいたため、本音ベースの声を拾えました。
またアサヒビール商品に対するロイヤルイティが高いため、インタビューでもこちらから深く聞かなくても1言うと100返ってくるような、熱量のあるコメントを多くいただけました。


アサヒパーク』ページより


―― 実際にスパコロを活用いただく中で、クイックにインタビューを実施することのメリットを感じたエピソードがあれば教えてください。

樋口:ある焼酎ブランドではもともと紙パックにビニールフィルムのラッピングをして販売を行っていました。
当初の検討段階では「お客様にとってビニールフィルムを剥がすのは面倒くさいことなのでは」といった仮説や「環境配慮のためにもビニールフィルムのラッピングをなくしてもいいのでは」という話が社内で出ていました。

一方で経営層からは「本当にお客様はそう思っているのか」という声もあり、そこで翌週の経営会議までに、お客様の声を聞いてみたいとブランドマネージャーから相談されたことがありました。

そこでクイックセルフオンラインインタビューを実施し、実際のお客様に聞いていったところ、意外にも「ビニールフィルムがあるからこそ、未開封であることがわかるため安心」といったお声を多くいただき、安全性を担保するためにもビニールフィルムによるラッピングは継続して行うことに決定しました。

もしもビニールフィルムを廃止していれば、商品を愛飲してくださっているファンの離反にも繋がっていたかもしれないと思うと、あらためてお客様の声を聞くことの重要性を感じましたし、経営会議に間に合う形でクイックにインタビューを実施できたことはとても良かったと感じています。

また、当社ではひとりのお客様を徹底的に深堀りし、そのお客様の心が動くことをマーケティング活動で大切にしているのですが、やはり一人ひとりのお客様を理解することは簡単ではありません。
今回の商品もメジャーな商品ではなかったため、一般的な調査会社に依頼していた場合は相当なコストがかかってしまっていたでしょう。
さらに「ビニールフィルムはあったほうがいいのか」、ということを聞くだけになかなか多額な調査コストをかけづらかったりもしますが、スパコロを活用することで、即座にインタビューを行い、お客様視点を大切にした商品づくりに寄与できたことはスパコロ活用の大きなメリットだと感じています。




一般的なインタビュー調査と違い、トライアンドエラーを繰り返せる。素早く意思決定できるようになったことが大きな成果




―― スパコロ導入によって、どのような成果が表れていますか?

樋口:一番の成果として感じていることは、素早くお客様の声を聞いて素早く意思決定ができるようになったということです。
やはり、一般的な調査の場合は何百万円といったコストがかかってしまうため、失敗できませんから、その分準備に多くの時間を要します。

しかし、スパコロであればトライアンドエラーを繰り返すことができるため、本調査の設問の質向上のためにまずはスパコロを使ってテストしてみるといったことができますし、素早く回答を得られることで、回答結果を読み解く時間を多く確保できるようになり、たとえば回答を得てから1日後に社内で議論するなど、時間の使い方が変わっていったと実感しています。

また、アジャイルで素早く多くの人の回答を得られることで、本調査をせずともすでに良い回答が得られるということもあります。
その結果、ブランドマネージャーからは、削減できた調査コストを別の予算に充てるなど、ブランドとしての調査予算運用が良くなっていると聞いています。


―― あらためてスパコロのインタビュー調査を活用いただいての感想をお聞かせください。

樋口:お客様の声をしっかりと聞けるようになったことで、間違った意思決定をしてしまうリスクが軽減できていることは非常に良かったと思っています。
さきほどのビニールフィルムの例もそうですが、もしもお客様の声に耳を傾けていなければ、我々からの一方通行な提案になりかねず、結果的には売上減にも繋がりかねません。
社会的な風潮などから「きっとお客様もこう思っているだろう」といった我々の想定とはまた違った意見を実際のお客様は持っているということは、スパコロを活用することで得られた発見でした。

また、ブランドマネージャーからはすぐにアンケートを配信したいといった依頼を受けることもあり、その日中に作成から配信まで行うことも珍しくありません。
そういった状況下で何か不明点があったときも、モニタスの担当者に都度電話で相談させてもらったり、作成したアンケートの最終確認をしてもらったりと、徹底的にサポートしていただけていることが本当に助かっています。



―― 最後に、今後の展望を教えてください。

樋口:探索的なインタビューツールとして今後もスパコロを活用していきたいと考えており、大枠としては前段の事前調査をスパコロで行い、本調査に活かしていくという座組みで引き続き活用させていただく予定です。

なお、クイックセルフオンラインインタビューでは同じお客様に一度だけでなく、何度もインタビューを実施することもできるため、お客様と一緒に商品開発を進めていくようなスキームができれば面白そうだと感じています。

そして現在はオンラインでのインタビューのみですが、たとえば試飲であったりと、対面だからこそ得られるお客様からのフィードバックもあるため、そうした対面でのインタビューも将来的に実現できればと考えています。