プレスリリース

「これは東南アジアの人々の生活を豊かにすることへ繋がる事業」日立アジア(ベトナム)元社長 須藤氏が語るモニタスのベトナム進出の未来


モニタスでは、「顧客データをマーケティング資源としてつくり、とどける」ことを目的に、これまで日本国内マーケットに対するマーケティングリサーチのサポートを行ってきました。
そして今後は日本国内に限らず、東南アジアを中心とした海外マーケットへ推進していくために、2023年にベトナム現地法人を設立しました。

そしてこのたび、ベトナムでの事業展開をより加速させていくべく、パートナーとして参画いただいたのが以前日立製作所のベトナム統括会社である日立アジア(ベトナム)にて社長を務めていた須藤 一徳氏です。
今回はモニタス 代表取締役社長である林 秀紀を交え、事業展開していく上でのベトナムという国の現状、またベトナム含めた東南アジアに事業展開を進めていくモニタスについてどのようにお考えなのかを須藤氏にお話いただきました。



日本と違い、生活や経済活動の基盤となる様々な分野でのインフラや社会制度を短いスパンで整えているのがベトナム含めた東南アジア諸国の現状である



林:2023年3月まで、須藤さんは日立アジア(ベトナム)の社長としてベトナムで仕事をされていましたが、あらためてこれまでの須藤さんのキャリア遍歴を教えていただけますか?

須藤:私は1985年に日立製作所に入社し、はじめは化学業界のお客さまに生産設備や発電設備などの営業を行っていました。それらの設備には、沢山の機器類や監視制御設備などが包含されていたために入社当初より様々な機器類に関する知識を得ることができました。また、この時期にプロジェクトの取り纏めや進め方に関する知見も身に着けることができました。

国内の次に取り組んだのが中国マーケットです。初期の段階では省エネや環境改善プロジェクトを中心に営業活動を行っていましたが、後にリチウムイオン電池事業の拡大がわたしの役割となり、中国のバイクメーカーとのリチウムイオン電池の共同開発プロジェクトに携わることになりました。中国には5年駐在しております。
その後、2015年4月よりベトナムの工事現法の責任者としてベトナムに赴任し、日本企業のお客さまの工場建設の仕事やODAプロジェクトに二年間関わりました。その後、2017年4月にベトナムの地域統括会社に異動し、2023年3月まで責任者としての仕事についておりました。その期間は地域統括、DX事業の拡大、インフラ系プロジェクトの創出などが主な責務でした。
ベトナムには8年間駐在しました。

日立アジア(ベトナム)元社長 須藤一徳氏


林:長年ベトナムを見てこられた中で、ベトナムで事業展開していく上での難しさはどういったところにあると須藤さんは感じていらっしゃいますか?

須藤:まず、ベトナムで事業活動を行う上で課題としてあげられるのは、規則や制度の運用に不透明な部分が存在するという点です。これは様々な判断が個々人に委ねられているために生じます。つまり属人的な側面が多く見受けられるということです。この問題には非常に多くの外国企業が悩まされて来ました。

次に課題となるのが、日本や欧米が成し遂げてきた発展を非常に短い時間の中でベトナムが達成しようとしていることです。生活基盤や産業振興のための社会インフラの整備、技術の育成や強化、社会の状況に合わせた社会システムの見直しなどがほぼ同時に進行しています。こういった状況は外国企業にとってチャンスではありますが、課題が沢山潜んでいます。最近ではそこに社会へのDXの浸透という要素が加わり、変化の速度が更に加速され、変化の度合いがより深くなり、この領域での課題が一層複雑になっています。

情報セキュリティに関する課題もあります。これは高度な情報システムのことではなく、一般的なレベルでの守秘義務のことです。この部分のマネジメントを疎かにすると思わぬ落とし穴に陥ることがあります。

そして、こういった状況は東南アジアのいくつかの国に共通する課題ではないかと捉えています。



人々の生活を豊かにする商品が東南アジアに入っていく中、モニタスは現地でのグローバル企業のマーケティングを支援していく



林:東南アジアの国々と比較して、ベトナムにはどういった特徴があるとお考えですか? また、モニタスのパートナーを引き受けてくださった背景を教えてください。

須藤:東南アジア諸国の中でも早期に経済成長を遂げたのはタイですがベトナムは中国やカンボジアと接し、バンコク、クアラルンプル、ジャカルタ、シンガポールにも近く、地理的には非常に重要な場所に位置しています。それに、約一億の人口を抱え、勤勉な国民性を有しています。また、先進性のある社会制度や技術の導入にも政府は熱心です。これらのことを勘案するとベトナムには発展の余地が大いにあると思います。

これはさきほども述べたことですが、ベトナムでは生活や経済活動に必要なものである社会インフラとそれらに利便性をもたらすデジタル技術の普及が同時に進められています。デジタル技術の活用の分野にはスマートフォンの有効利用というテーマも存在しています。そのためにスマートフォンを対象としたアプリ開発を手掛けるスタートアップ企業がいくつも生まれ、スマートフォンを介して享受できるサービスの範囲は他国に遜色ないレベルで進展しました。ショッピング、フードデリバリー、配車サービス、電子マネーによる決済にはじまり、公共サービスに関わるアプリなども含め、様々なことがスマートフォンで可能になっています。社会インフラの整備は途上にあるにもかかわらず、デジタル技術の浸透は人々の生活を便利なものに変えています。
‘明日はどんな世界が待っているのだろう’
――ベトナム市場に対する私の興味は尽きません。
このベトナムや東南アジアで私自身の経験や知見を活かして発展に寄与できる分野があるのではないか
――しかも、人材がすでに揃っている大手企業ではなく、限られたリソースで価値創造をしようとしているスタートアップと仕事がしたい
――そういう思いを強く抱くようになりました。
そのような時にモニタスさんからパートナーのお話をいただきました。そして、同社のビジネス戦略にも大変興味をそそられました。それがパートナーとしての仕事をお引き受けした理由です。

モニタス 代表取締役社長 林


林:モニタスは2023年にベトナム法人を立ち上げましたが、東南アジア進出を決めたきっかけのひとつが、ベトナムやタイ、インドネシアの総人口は約5億人、さらに若い世代が多いという市場感にあります。

日本の約5倍近い人口がいて、さらにその人たちの生活が今後より豊かになっていくというときに、生活を豊かにする商品というのも多く東南アジアに入っていくでしょう。
そして世界各国の企業がASEANをマーケットとして企業活動を行おうとしていくときに、現地でのマーケティングを支援する仕組みをつくりたい、そう思ったことがモニタスのベトナム進出の理由でした。

そして現在、もともと当社で欧米向けの事業を展開しておりましたが、その事業拠点を日本からベトナムへと移管。ベトナムでオペレーションを行う体制を現在構築し、運用を開始しています。
一方で、現地に赴いて感じたことは、日本企業であるということが現地で特別な価値ではないということです。実際に現地の企業からは「日本企業と組むよりも、他のグローバル企業と組むほうがメリットがある」という声もありました。

そこでモニタスとして国際競争力を高めていくためにも、実際にベトナムで日本を代表する仕事をされてきた方のご経験と知見をもとに、モニタスの事業発展にお力添えをいただきたいと思い、須藤さんにご相談させていただきました。



欧米主導ではなく、東南アジアをベースにした商品開発が進んでいく。モニタスの事業は国を豊かにしていくことに繋がる



林:須藤さんは、モニタスのベトナム進出に関してどのように感じられていますか?

須藤:まず、モニタスが非常に魅力的なビジネスを展開していると感じています。モニタスが支援する企業というのは、「売れるものをつくりたい」というニーズがあるからこそサーベイを実施しています。売れるものというのは顧客にとって魅力的なものや必要なものであると思います。つまり、モニタスが提供するサービスを通じて生活が便利になる、日常生活に満足感や楽しみがもたらされるということになります。私はそこに大きな魅力を感じました。

現在ベトナムで販売されている日・米・欧企業の商品や製品でベトナム向けとして開発されたものは非常に稀な事例と思います。
しかし、ベトナムを含めた東南アジア諸国の市場としての価値が真に上昇すれば、東南アジア諸国をターゲットとした商品開発に取り組まざるを得ない状況が各国企業に生まれます。欧米企業は市場調査を精緻に行う傾向があり、マーケティングの機会や場が重要度を増すことになります。モニタスがベトナム、そしてその他の東南アジアの国々に進出していくことは、彼らにとってはマーケティングを展開する基盤が準備されることを意味します。モニタスが提供する市場調査の場で東南アジアをベースにした商品開発が進み、東南アジア主導で生まれる商品や製品が世界に提供されていく。そんな未来を想像するととてもワクワクします。モニタスのベトナムや東南アジアでの事業展開はその未来を現実に創造していく上で非常に重要な役割を担っていると私は思っております。

クオリティ・オブ・ライフ(QOL)が日常的に問われる現在ですが、東南アジアの人たちのQOLを物質的な面から向上させていくということ、それを支援しているのが、モニタスが本質的にやっていることだと私には思えます。
誰もが自身の生活を豊かにしたいと思っている中、モニタスの事業が成長していくことで「最近便利なものが増えたね」と喜ぶ人が東南アジアで増えていく、国を豊かにしていくことに繋がる事業を展開しているのがモニタスだと思っています。そして、やがてはモニタスの事業は人々が享受できるクオリティの高いサービス事業の創出にも繋がっていくと思っています。


林:今後はまずベトナムにおいてモニタスはその国に根付いたサービス提供をしている企業(通信会社や航空会社、金融サービスなど)とアライアンスを組んでいき、その企業が持つ会員資源を活用したアンケートサービスを展開していくつもりです。

そして将来的にはグローバル企業に対して、「消費者の声を聞くのであればモニタス」と認知してもらえるような世界観を、まずは東南アジアの各国で展開していきたいと考えています。その上で、ぜひ須藤さんにもお力添えをいただければ幸いです。

本日はありがとうございました!